一周忌

もう一年経った。
父さんがいなくなってから
ばたばたして
イヤな思いも沢山して
でもそれで 目を背ける理由にはなってから


父さんが
死んだことにも
生きていることにもできないままで


たまに現実に見た光景を思い出して
壊れそうになって


伝えていないことが
沢山あって
今度言おうと思っていて
そしたら
もういなくて


愛してる


愛しているのに
声が遠くなるから
薄れて行くから
殺して
時を止めたかった
愛しているのに
生きていると
時が経つと
記憶や気持ちを手放してしまうなら
何をしてでも
時を止めたかった
普通に生きているさまに
腹が立った
笑ったり楽しかったり
そういうさまが許せなかった


幸せだったから
全部幸せだったから
1つ欠けたら
何になるのか
わからなかった


愛してる
愛してる
もう何もできないから
ただ ただ 安らかであるように